ひとつ屋根の下の孤独？

お父さんは、なんか今の状態を気に入らないみたいだけど、
結構こういう別々の生活してる人多いんだから。

　中には自分の部屋に鍵をかけてプライバシーを確保してる
人もいるくらいだから。歳とると、そんなもんなんだってよ、
TVで言ってた。

「鍵なんかするようだったら、別れりゃいいじゃん！そしたら、自由に、自分の好きな事ができんじゃん？」

「おとうさんは、わかってないなぁ！
家族は家族なんだよ、子供も結婚し、孫もいて、今更、別れてどうこうってめんどうくさい事をしようとは思はないんだよね！」

「家の中で、それぞれが、それぞれで、好きな事をすればいいんじゃないかと思うよ！」

「そうなの？」
　　
「このあいだテレビで、孤独死の特集をやってて、
最近の孤独死は、
　　独居老人ではなくて
　　　　家の中で別居老人？だったか熟年離婚だか？
　　要するに、一つ屋根の下で別々に生活をしている同居老人の

自宅内孤独死が増えてんだってよ！

これ、我が家と同じじゃん、って、思って聞いてたよ

何をもって孤独死となるのか？

――は聞きそびれたんだけどな～！

でも、相模原の〇内さんみたいに、同じ部屋で布団並べて寝てて、
朝、奥さんが起きたら、だんなさんが死んでたって

言い方悪いけど、男からすれば、これ最高の死に方だよな！

出来る事なら、俺もこんな死に方したいよなぁ！
　苦しんだり、暴れたりしないで回りに迷惑かけないように
黙って静かに息を引き取ったと言う事だよなぁ！
　　　　　　　　いいよなー！

大丈夫よ、お父さんがベッドから、落ちたのも、寝言言ってるのもわかってるし、
　　まず、おとうさんは、一人じゃ死ねないから！
　　　　　むりだよ、大騒ぎして周りを巻き込むだろうから、
　　　　　　　　おとうさんに孤独死はないな！

お父さんも、趣味の釣りがしたいんだったら、
海の近くに家を買うなりして、好きな釣りをすればいい！って言ってんのよ！

変形性膝関節症だと言われて、今は堤防から釣るしかないんだろうからさ